多くの医院が電子カルテを導入していますが、「使いこなせていない」「導入したけれど業務効率が上がらない」といった声も少なくありません。せっかくの電子カルテが「宝の持ち腐れ」にならないよう、電子カルテを効果的に活用するための5つのポイントを解説します。
1. 機能を理解し、日常業務に組み込む
電子カルテには、多様な機能が搭載されていますが、「最低限の操作しか使っていない」という医院も多いものです。まずは、導入している電子カルテの機能を改めて理解し、どの機能をどの業務に活用できるかを見直してみましょう。
- 取り組み例:
- 電子カルテのマニュアルを確認し、カルテ入力の時短機能や患者情報の検索方法など、基本操作を再確認します。
- メーカーのサポートやオンライン講座などを活用して、スタッフ全員が機能を十分に理解する機会を設けましょう。
- ポイント:操作スピードが上がり、カルテが日常業務に自然と馴染むことで、業務全体の効率化につながります。
受付事務は電子カルテの操作に詳しいわけではありません。どちらかというと苦手意識を持っています。電子カルテは安い買い物ではないため、効果的に活用されているか気になる院長は、弊社へお気軽にお問い合せください。
2. テンプレートや定型文を活用する
電子カルテでは、診療内容や問診、処方などでよく使う内容をテンプレート化し、入力作業を効率化することが可能です。定型文やテンプレートを活用することで、入力の手間を省き、診療時間を短縮することができます。
- 取り組み例:
- よく使用する診療内容(例:風邪症状、健診の結果報告など)をテンプレートとして登録し、診療記録を素早く作成できるようにします。
- 定型文を登録することで、短時間で必要な情報を入力でき、カルテ入力がスムーズになります。
- ポイント:スタッフ全員でテンプレートを共有し、必要に応じてアップデートすることで、より効率的な診療が可能になります。
3. スタッフ間の情報共有に活用する
電子カルテのデータは、院内スタッフ全員で即時に共有できます。医師、看護師、受付スタッフがカルテを活用して情報を共有することで、患者対応がスムーズになり、診療の質も向上します。
- 取り組み例:
- 診療時に医師が入力した患者の特記事項を受付や看護師が参照できるようにし、スムーズな院内連携を図ります。
- 患者の要望や特別な配慮が必要な事項(例:車いすでの来院、特定薬剤へのアレルギーなど)を電子カルテに記録し、スタッフ全員で情報を共有します。
- ポイント:情報共有の仕組みが整うと、患者対応のミスが減り、患者満足度も向上します。
4. データ分析機能で医院運営に役立てる
電子カルテのデータを活用して、診療傾向や患者層の分析が行えます。たとえば、月別の来院数や患者層の割合など、カルテのデータを活用して診療の傾向を把握することで、医院運営の改善に役立ちます。
- 取り組み例:
- 月ごとの診療件数や特定疾患の来院数などを集計し、季節ごとの来院傾向を把握します。
- 予約キャンセル率やリピート率を分析し、予約システムやリマインダーの見直しに役立てます。
- ポイント:診療傾向のデータを参考にすることで、効率的な人員配置や予約管理が行え、患者満足度や医院の経営安定につながります。
5. 定期的なシステムメンテナンスとスタッフ教育
電子カルテを継続的に活用するためには、システムメンテナンスとスタッフの再教育が不可欠です。システムの更新や操作方法の確認を怠ると、電子カルテの機能が十分に活用されず、次第に「宝の持ち腐れ」になってしまいます。
- 取り組み例:
- 定期的にメーカーサポートを受けてシステムのアップデートや改善点を確認します。
- 新しいスタッフが入った際やシステムに変更があった際は、操作方法を共有し、円滑な利用を図ります。
- ポイント:定期的なメンテナンスと教育により、電子カルテを最大限に活用し続けることが可能になります。
まとめ
電子カルテは、医院の業務効率を大幅に改善するための強力なツールですが、機能を使いこなせなければ「宝の持ち腐れ」になってしまいます。今回ご紹介した5つのポイントを押さえて、電子カルテを日々の診療にしっかりと活かし、効率的な運用を目指しましょう。医院全体で電子カルテの活用レベルを高めることで、患者さんにとっても「頼れる医院」へと成長できます。
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